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夜のぬるい強風に吹かれて、どこかで「キンキン」と金属のぶつかり合う音が鳴り、途方もないさみしさを感じた。

温められた草の匂いは夏の山の匂いに似ていて、通り過ぎた民家からは何かの甘い食べ物の匂いがした。

顔面に、生ぬるく甘い風が暴力的に吹き付けてきて、たまらなくなった。

心を無痛にするために、帰宅してからの雑事について考えた。